Mさんの四方山話

いろいろ書きます

【猟師になろう】狩猟免許の事前勉強会の大きな流れ

今日は、狩猟免許の事前勉強会の大まかな内容について書きます。

狩猟免許試験当日の午前中は座学のテスト(私が受けた試験では3択式試験)があり、これで70点以上取れた人が午後からの適性検査(聴力や視力)、実技試験を受けられます。
事前勉強会では同じように午前中は座学、午後は実技がメインの内容でした。
午前中の座学では狩猟読本を中心に、法律、法定猟具や禁止猟具、猟銃の種類や構造、罠の種類などを学びます。
更に個人的には難問だった鳥獣判別についても学びます。
午後は主に各試験の実技試験の内容を教わります。

 

 

午前中の座学ですが、まず学ぶのは鳥獣法などの理解です。
狩猟の法的根拠や狩猟者の心構えなどを学びます。
実際の体験や事件を交えながら説明していただけるので、個人的には覚えやすかったです。

次に罠や網の種類や禁止猟具について学びます。
また罠の仕掛け方などについても学びます。
はこわな や はこおとし と言った罠、禁止猟具のトラバサミなどを覚えます。
法律を含め座学は三択なので、ちゃんと勉強すれば答えはわかるので、諦めず勉強することが大事です。

猟銃の免許を取得したい場合、かなり苦労するのが猟銃の部位、構造、口径、散弾の種類、そして射程距離を頭に叩きこむことです。
第一種銃猟の散弾銃の弾には大きく2つの大きさがあります。
口径 と 散弾の弾の大きさ、です。
これについてはまた詳しく書きます。

 

こういった名前などを学んだ後、午後からは実際に鳥獣の判別、実際の「わな」や「あみ」をみてその種類の特定や架設、猟銃の取り扱いの基礎を学びます。

鳥獣判別の試験は全部間違えると32点減点で不合格です。
※午後の実技も70点以上が合格ライン。
とりあえず狩猟できる鳥獣についてはひと通り名前を覚えておきましょう。
多くの場合、非狩猟鳥獣の場合は非狩猟鳥獣であると言えばいいので、非狩猟鳥獣の名前まで正確に覚える必要はないらしいです。
私もそうでした。
※免許取得後に取れるのは狩猟鳥獣のみなので、実際の狩猟でも狩猟可能だと断言できない場合は取らないのが正解です。

 

罠や網については、禁止猟具と法定猟具の区別、罠や網の架設といった試験がでます。
実際に試験に使われるものに 「酷似した」ものが出揃うので、ここでしっかりと禁止なものをを頭に入れておきたいです。
はこおとしには「さん」があるか、といった事を確認しましょう。
架設の試験については猟友会の方からおすすめの「罠」や「網」を教えていただき、みんなそのおすすめのもので架設の練習をしました。

 

猟銃の実技対策は結構大変です。
第一種銃猟の人は午前中に覚えた銃の部位を言いながら散弾銃の点検、分解、組み立てを行います。
さらに模擬弾を詰めて射撃姿勢をとります。
更に休憩の方法や銃の受け渡しについて学びます。

第一種と第二種の銃猟の人は空気銃のポンピング、弾の模擬装填、発砲(弾は出ません)を行います。

銃猟の実技中、決して銃口を人に向けてはいけません。
弾が入っていなくても10点減点です。

普段銃を触る人は滅多に居ないでしょう。サバゲーとかでエアガンを触る人もいるでしょうが、そういう人もいつも以上に銃口には気をつけましょう。
特に慣れない分解作業だと、どうしても分解に意識が行ってしまい、銃口に意識が行かないことがあります。
また案外トリガー(引き金)に指が入ります。8割の人が練習中に一度は引き金に指を入れないように、と注意をうけていました。
どうしても引き金に指が入る人はあえて引き金に指が届かないところを持つようにしましょう。

 

少し長くなりましたが、これが事前勉強会の大きな流れとなります。

他に銃猟については距離目測があります。普段から電柱などで距離感を掴んでおけば大きな問題にはならないと思います。

【猟師になろう】狩猟免許試験申請方法と試験対策に欠かせない2冊の対策本について

先日、猟師になるための方法について、お話しました。

 

m-san-yomoyama.hatenablog.com

今回は実際に都道府県に申請する際の具体的な書類などについてお話します。

都道府県によって微妙に異なるかも知れませんので、ご注意ください。

 

必要なもの

多少のお金と、「まともな人物」です。

 

 

 

受験料 1免許あたり5000円程度
受験申請書 都道府県の役場役場などやインターネットでダウンロード
住民票 いらない場所もあるようです
証明写真 数枚
医師の診断書 都道府県から指定あり

 

 多少お金がかかります。医師の診断書も5000円程度を見ておいたほうがいいでしょう。

つまりなにか免許を取るのであれば、受験料と診断書を合わせて最低でも1万円前後はかかります。

もし取りたい免許があるならば、まとめて取るほうが安上がりな気がします。

※ただし申請した免許の数に応じて勉強する量は増えます。

医師の診断書は指定があるかもしれません。

わからないことは免許の担当者に直接聞くのがよいと思います。

また猟友会の人にも聞いてもいいかも知れません。

私は知り合いに猟友会の人がいたので、猟友会の人に良く聞きました。

もちろん、これらの申請は平日に行かなければなりません。午前休などで行いましょう。

 

まともな人物」と言いましたが、試験には受験資格があります。

精神疾患統合失調症躁うつ病)やてんかんにかかっている人は受験できません。

麻薬などの中毒者もダメです。

正しい判断が出来ない人間もダメです。

鳥獣保護法違反で罰金以上の判決を受けた人、や狩猟免許の取り消し処分をされて3年を立たない人もダメです。

このあたりは受験案内に書いてあります。この受験資格の確認の上でも医師の診断書が必要なんだと思います。

 

罠や網は使い方を間違えれば人や無関係な鳥獣を傷つけるので、このあたりの制限は仕方ないように思います。

 

実際に申請にいったら、狩猟読本狩猟免許試験例題集の入手方法を確認しましょう。狩猟読本狩猟免許試験例題集から多くの出題されます。

どういうことかは、お察しください。

わな等の種類や禁止猟具などがよくまとめられているので、ぜひこの2つはゲットしたいです。

私もこれを中心に勉強しました。

これは予備講習会で配られたりするので、地元の猟友会や狩猟免許の担当の方によくよく入手方法を聞いた方がよいでしょう。

 

以上、申請と参考書についてお話しました。

次は予備講習会についてお話したいと思います。 

 

【猟師になろう】狩猟免許をとってしばらく経つので、とり方とかについてまとめてみる

山賊ダイアリーに触発されて、数カ月前に狩猟免許を取りました。狩猟をするまでに必要なことについて少しまとめてみます。

 

狩りをやりたいけどやり方が分からない、と言った方の助けになれば幸いです。

 


 1.狩猟免許とは?

そもそも狩りをするのに免許が必要なのか?と思われる方も多いでしょう。

結論をいえば必要です。

なお狩りをするための道具で「法定猟具」というものがあります。法定猟具にはそれぞれ大きな種類があり、種類ごとに「免許」が必要です。

大区分 代表的な猟具 必要な免許 取れる鳥獣 その他備考
わな(罠) はこわな(箱罠)、くくりわな(くくり罠) わな猟免許 イノシシ、シカ、キツネなど 特になし
あみ(網) むそう網、はり網 網猟免許 カモやスズメ、ウサギなど 特になし
銃猟(装薬銃) 散弾銃、ライフル銃 第一種銃猟免許 クマ、イノシシ、シカ、キツネや鳥類など 基本的に銃を持つには厳しい審査があり。またライフル銃は10年以上のキャリアが必要
銃猟(空気銃) 空気銃 第二種銃猟免許 鳥類など 基本的に銃を持つには厳しい審査があり。一種よりは少し許可までの手順が少ない。

 

免許ごとに許される猟具があります。わな猟の免許を持っているからといって、網猟ができるわけではありません。また禁止の猟具があります。例えば「霞網(かすみ網)」は網猟免許を持っていても使うことはできません(使用禁止であることは試験にも出てきます)。トラバサミも禁止猟具です。

試験では座学(法律関連(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)等)、法定猟具と禁止猟具、危険回避の知識、鳥獣の生態)と適性検査(視力検査や聴力検査)、そして実技(法定猟具と禁止猟具の判別、猟具の取り扱い)に合格してもらえます。

免許は3年毎の更新制ですが、免許は全国で有効です。

 


2.免許を取得するには?

免許の試験は在住の都道府県の環境を司る部署が統括しています。「東京都 狩猟免許」等で検索すれば、試験日程や受験料などを確認できます。年に数回行われますが、定員に達したら申し込みを打ち切るところも多いので、事前に日程を確認して素早く申し込む必要があります。

また「狩猟免許の事前講習会」を都道府県や都道府県の猟友会が行うことがあります。私も参加しましたが、事前勉強会(事前講習会、予備講習会とも)にはぜひ参加すべきです。多少参加費が取られます。が、当日いきなり行って第一種銃猟の実技で「正しい銃の受け渡しをしてください」と言われてもチンプンカンプン、全く行えず実技で不合格、ということもありえます。

もちろん事前勉強会や講習会の参加は任意です。一部の人は「猟友会にお金を払いたくない」といって受けない方もいらっしゃいますがつまらない意地を張らずここは折れるべきです。

 


3.免許をとったらすぐに狩猟できるの?

免許をとっただけでは狩猟はできません。実は実際に狩猟を行う各都道府県で狩猟者登録をする必要があります。仮に登録せずに狩猟をした場合は違法行為となります。

また違法な銃猟(第一種銃猟、第二種銃猟)をした場合、鳥獣保護法(狩猟法)違反のみならず不法な発砲などで銃刀法にも違反します。

 


4.狩猟者登録をしたらいつでも狩猟できるの?

いいえ、基本的に猟期の間だけ狩猟が出来ます。基本的に冬(9〜4月、地域や対象鳥獣によってマチマチ)のみ狩猟が行えます。

このへんは複雑なので実際に狩猟免許を取るときに勉強することになると思います。

猟期は一番開始時期が早いのが北海道が9月15日からなので、これに間に合うように取ればいいと思います。

免許は試験後数週間から数ヶ月、というところもあるので、余裕を持った試験日程が必要でしょう。

 


5.第一種銃猟と第二種銃猟の免許は何が違うの?

第一種は装薬銃による銃猟です。装薬銃とはおそらく多くの人が想像する銃です。火薬の爆発で弾を飛ばします。

散弾銃やライフル銃がこれに当たります。

散弾銃といえば、球状の小さい玉がたくさん入ったものを想像すると思いますが、スラッグ(スラッグ弾)という一発玉もあります。このスラッグは威力が高く、散弾銃とは言えイノシシやシカ、クマも倒せます。有効射程は100mですが、700mくらいは弾が飛んでいく可能性があるので注意が必要です。なおライフル銃は更に遠くまで届きます。ただしライフル銃の所持には10年以上無違反で銃を所持し続けることが求められます。射程距離も長いですが、反面遠くまで飛ぶので、矢先(弾の飛ぶ方向)に人や民家が無いかを十分確認しなくてはなりません。散弾銃でも十分狩猟は可能なので、気長に違反しないようにがんばりましょう。

第二種とは空気銃での銃猟です。空気銃は空気やバネの力で弾を飛ばします。基本的にカモなど小さい鳥が取れます。山賊ダイアリーで岡本さんが使われているのが空気銃です。

なお第一種銃猟は第二種銃猟の上位の免許なので、第一種銃猟免許を持っていれば、空気銃での狩猟も可能です。

 


6.第一種銃猟か第二種銃猟を取れば猟銃を撃てるの?

いいえ、免許はあくまでも狩猟をしていいという許可です。別途猟銃の所持許可を受ける必要があります。

???「狩猟をしてもいいと言ったな。あれは嘘だ」

日本は銃の所持に関して大変厳しく、普通の人は銃を持てません。

なので狩猟免許を持っていても銃の所持許可がなければ空気銃でも所持はできません。

所持許可が無いと、もちろん銃猟はできません。

日本は一銃一許可制といい、一つの銃に対して一人しか使用を許可されていません。

誰か所持許可を得ている人から銃を狩りて銃猟をする、といった狩猟は銃刀法で借りた人も貸した人も処罰されます。

銃の所持許可は、その人の人となり(精神疾患の有無、過去の犯罪歴、借金、反社会的組織とのつながりの有無等)と正しい保管体制(ガンロッカーや装弾ロッカー等)が問われます。狩猟は環境省の管轄ですが銃の所持許可は国家公安委員会(警察)の管轄です。異なる二つの認可が必要です。

  


ざっくりと狩猟免許関連の概略をお話しました。

この記事では実際の試験の内容などについては触れておりません。

近日中に試験対策などの体験談もブログにまとめたいと思います。